動物時計 誤解されやすい虎さん設定

なんだよ!あたしが何をしたっていうんだよ!!

誰も彼も虎だ!虎だ!怖えぇ〜なんかぬかしやがって!
何か?とって喰うとでも思ってるのか?
そりゃさ、イノシシや水牛とか襲ったよ。時にはゾウだって襲ったさ。
でも仕方ないじゃないか、生きていくためには喰わないとダメなんだよ。
別に面白がって襲ってるわけじゃないんだし、それにお前らだって牛喰ったり、鳥喰ったりするじゃねえか。
生きていくには喰わなきゃ仕方がねえんだよ。

・・・

だけどさ、あいつはあたしに喰えって言ったんだ。
もう先が長くないし、ずっと一緒にいたいから喰ってほしいって。
小さい頃から一緒だったんだ。

ずっと兄妹のように育ったんだ。

あたしが悪いんだ。
あたしが虎だから。
あたしがいるとみんなが怖がるから。
だからあんなに町から遠い森で暮らさなくちゃいけなくなったんだ。
あいつは自分の足のせいでいじめられるからっていってたけど。
そうじゃないんだ。
みんながあたしを怖がったんだよ!
追い出せっていったんだ。
殺してしまえといったんだ。

あたしを捨てればよかったんだ。。。

だけど、あいつが悲しむ顔を見たくないからっておじさんもおばさんも
何も言わず町を出たんだ。

喰えるわけがねえだろ!
いくら違う種族でも、あいつは友だちなんだから。
助けてくれよ!誰でもいいからさ!
あいつを助けてくれたら、もう他の奴ら襲わねぇからさ!

気がついたらここに来てたんだ。
一体どこなんだよ!どこに連れてきやがったんだよ!

離しやがれ!早く行かないとあいつが死んじまうだろ!
早く、早く助けに行かなきゃならねえんだよ!

あいつはお腹をすかせてまっているんだよ!
早く食い物をもっていってやらないとあいつが死んじまうんだよ!

誰か!誰かあいつのこと知らねえか!?

助けてくれよ!邪魔しないでくれよ。
帰るんだ!
帰らしてくれよ!
あたしはどうなってもいいからあいつを助けてくれよ!

あいつはたったひとりの友達なんだ。

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動物時計 誤解されやすい虎さん

注意:動物時計の虎さんの設定ですが今回はとても不快な表現を含んでおりますのでお気をつけください。

お父様はどうして帰っていらっしゃらないのだろうね。
お前も寂しいだろう?
でも仕方がないのだよ。
お父様は僕の足を治すためにたくさん働いているのだから。
お帰りにならなくても寂しいとは言ってはいけないのですよ。
この足が動いたら僕も働いてお父様を楽にしてあげるのに。

お腹が空きましたね。
お母様はどうしてお戻りにならないのだろうね。
でも、お母様も大変なんですよ。
町にいると僕がいじめられるからお父様もお母様も僕を守るためにこんなに遠くの森に住むことにしたんだから。
お母様はとてもとても遠い町までお買い物にでかけておられるのだから、
お帰りが遅くなってもわがままを言ってはいけないのだよ。
もし僕の足が動いたら、僕が毎日おつかいに出かけてあげられるのに。

お腹が空いたねえ。
お腹が空いたよ。
お前もお腹が空いていないかい?
僕が動けたらお前にお腹いっぱい食べ物をとってきてあげるのに。

お腹が空いただろ?
もう何日もご飯を食べていないのだからね。
でもきっとお父様もお母様もすぐにお戻りになるからわがままを言ってはいけないのだよ。

でもね、お前には大きな前脚と後足があるのだから、ここから離れてご飯を食べてきたらいいのだよ。
僕はお父様とお母様がお戻りになるのを待っているから、ゆっくりとご飯を食べておいで。

寂しいよ。
とても寂しいよ。
お父様もお母様もお戻りにならないからとても寂しい気持ちになっているよ。

嘘。。。
嘘。。。
お前の山吹色のふさふさした毛。
黒と白の縞模様。
お前の身体に抱かれているととても温かくて良い気持ちになれるのですよ。
だから寂しいことはないのですよ。

喉が渇いたね。
もう水が切れてから何日がたつのだろうね。
お前も喉が渇いていないかい。

おかしいね。
おかしいね。
喉が渇いているはずなのに、お目々からお水が垂れてくるよ。
お前がいれば僕は悲しくなんてないのに。
お前がいれば悲しくなんてないのですよ。

ずっとお前と一緒にいたい。
お前と一緒にいたい。
もし、お父様とお母様がお戻りにならなかったら。
もし、僕の身体が動かなくなったら。
お前に食べて欲しいのですよ。
そうすればお前とずっと一緒にいられるのだから。
そして、お前の足で僕の足で遠く遠くまで連れていっておくれ。

そう、僕たちはいつまでも友達だよ。

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誤解されやすい虎さん #動物時計の設定

なんだよ!あたしが何をしたっていうんだよ!!

誰も彼も虎だ!虎だ!怖えぇ〜なんかぬかしやがって!
何か?とって喰うとでも思ってるのか?
そりゃさ、イノシシや水牛とか襲ったよ。時にはゾウだって襲ったさ。
でも仕方ないじゃないか、生きていくためには喰わないとダメなんだよ。
別に面白がって襲ってるわけじゃないんだし、それにお前らだって牛喰ったり、鳥喰ったりするじゃねえか。
生きていくには喰わなきゃ仕方がねえんだよ。

・・・

だけどさ、あいつはあたしに喰えって言ったんだ。
もう先が長くないし、足でまといになりたくないからって。
小さい頃から一緒だったんだ。
ずっと兄妹のように育ったんだ。

あたしが悪いんだ。
あたしがもっと外の世界が見たいっていったから。
自分を喰って君だけは生き延びろなんていいやがったんだ。

喰えるわけがねえだろ!
いくら違う種族だといっても、あいつは友だちなんだから。
助けてくれよ!誰でもいいからさ!
あいつを助けてくれたら、もう他の奴ら襲わねぇからさ!

気がついたらここに来てたんだ。
一体どこなんだよ!どこに連れてきやがったんだよ!

離しやがれ!早く行かないとあいつが死んじまうだろ!
早く、早く助けに行かなきゃならねえんだよ!

誰か!誰かあいつのこと知らねえか!?
あたしはもう、誰も傷つけたくないんだよ。

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