注意:動物時計の虎さんの設定ですが今回はとても不快な表現を含んでおりますのでお気をつけください。
お父様はどうして帰っていらっしゃらないのだろうね。
お前も寂しいだろう?
でも仕方がないのだよ。
お父様は僕の足を治すためにたくさん働いているのだから。
お帰りにならなくても寂しいとは言ってはいけないのですよ。
この足が動いたら僕も働いてお父様を楽にしてあげるのに。
お腹が空きましたね。
お母様はどうしてお戻りにならないのだろうね。
でも、お母様も大変なんですよ。
町にいると僕がいじめられるからお父様もお母様も僕を守るためにこんなに遠くの森に住むことにしたんだから。
お母様はとてもとても遠い町までお買い物にでかけておられるのだから、
お帰りが遅くなってもわがままを言ってはいけないのだよ。
もし僕の足が動いたら、僕が毎日おつかいに出かけてあげられるのに。
お腹が空いたねえ。
お腹が空いたよ。
お前もお腹が空いていないかい?
僕が動けたらお前にお腹いっぱい食べ物をとってきてあげるのに。
お腹が空いただろ?
もう何日もご飯を食べていないのだからね。
でもきっとお父様もお母様もすぐにお戻りになるからわがままを言ってはいけないのだよ。
でもね、お前には大きな前脚と後足があるのだから、ここから離れてご飯を食べてきたらいいのだよ。
僕はお父様とお母様がお戻りになるのを待っているから、ゆっくりとご飯を食べておいで。
寂しいよ。
とても寂しいよ。
お父様もお母様もお戻りにならないからとても寂しい気持ちになっているよ。
嘘。。。
嘘。。。
お前の山吹色のふさふさした毛。
黒と白の縞模様。
お前の身体に抱かれているととても温かくて良い気持ちになれるのですよ。
だから寂しいことはないのですよ。
喉が渇いたね。
もう水が切れてから何日がたつのだろうね。
お前も喉が渇いていないかい。
おかしいね。
おかしいね。
喉が渇いているはずなのに、お目々からお水が垂れてくるよ。
お前がいれば僕は悲しくなんてないのに。
お前がいれば悲しくなんてないのですよ。
ずっとお前と一緒にいたい。
お前と一緒にいたい。
もし、お父様とお母様がお戻りにならなかったら。
もし、僕の身体が動かなくなったら。
お前に食べて欲しいのですよ。
そうすればお前とずっと一緒にいられるのだから。
そして、お前の足で僕の足で遠く遠くまで連れていっておくれ。
そう、僕たちはいつまでも友達だよ。
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