ネコさんの続きです。

この記事はネコさんをまとめましたに統合されています。

第2章 温かな泉
ここはとても古い深い森、心迷いの森と呼ばれる森の中。
この森にも今年はたくさんの雪が降り積もりました。
木々は白い帽子をかぶり、草原はまるで白い絨毯を敷いたように見えました。
そんな真っ白な森の中でただ一カ所だけ雪の降り積もっていない場所がありました。
心迷いの森の奥の奥、今ではみんな忘れてしまっているようなそんな奥に温かい水がわいている泉がありました。
人間の世界での温泉よりもちょっとぬるい泉ですがこの周りだけはどんなに雪が降っても、降り積もったことがないそうです。
その森の中を初老の紳士が歩いています。
大きな顔に小さな目と鼻、ちょこんとついた耳はアクセサリーに見えるぐらい。
それに比べて大きな口!すべてを食べ尽くしてしまいそうな大きな口をしています。
鼻の上にちょこんと小さなメガネをかけたカバのおじさんが大好きな泉に入りにきていたのです。
冬は冬眠するのが普通なのですが、皆さんも知っているとおりカバさんの住んでいるところには冬がありません。
冬眠するということがないのですね。
だからカバさんは冬の間は毎日、泉でくつろぐのが日課になっていました。
そんなカバさんは泉の側に小さな小さなネコさんが横たわっているのを見つけました。
「おやおや、今日はもう家に帰る時間らしいよ」
カバさんは冷え切った身体をしたネコさんを持ってきたバスタオルに包んでお家に連れて帰りました。

第3章 夢
「なっちゃん、なっちゃん」
ネコさんは何度も呼びかけました。
でも、もうなっちゃんは返事をしてくれません。笑ってもくれません。
ネコさんはガラスを何度も何度もひっかきました。
だけど誰も気づいてくれませんでした。
今日はとても冷えて雪が降り始めています。
何度も何度も呼びかけて、何度も何度もガラスをひっかくけれど病室にはいることはできませんでした。
いつしか夜になり、病室は真っ暗になりました。
窓ガラスはカーテンが閉められもう中を見ることができません。
誰もネコさんに気づいてあげることができませんでした。
それでもネコさんは必死で呼び続けました。
「なっちゃん、なっちゃん」
ガラスをひっかき振り絞る声をあげました。
でも、声は届かなかったのです。
ネコさんはとても疲れてしまったのでしょうね。そのまま気を失って、窓から庭に落ちてしまいました。
そのネコさんの身体にしんしんと雪が降り積もっています。
雪は身体から体温を奪います。
そんな中、ネコさんはとても幸せな夢を見ていました。

「なっちゃんと遊んだこと」
「泣いているなっちゃんの横に座って手をなめてあげたこと」
「いい子いい子してもらったこと」
「なっちゃんにミルクをもらったときのこと」

いろいろなことを思い出していたのです。
そうするうちに身体はとてもポカポカしてきて、何だかふわふわと浮かんでいるような不思議な気持ちになってきて眠ってしまいました。
まるでなっちゃんに抱かれているような心地よさを思い出していたのです。

第4章 カバさんのお家
気がつくととても心地の良いベッドの中で小さな小さなネコさんは眠っていました。
とてもとても大きなベッドでネコさんなら20人は眠ることができるぐらいの大きさです。
部屋の中はとても暗いのですが、暖炉のあるあたりがパチパチと音を立てて炎が燃えていたのでぼーっとですが部屋の中を眺めることができました。
壁は木造でログハウスのように丸太を組み合わせた素敵な作りになっています。
柱には時計がかかっていて今が7時(朝か夜かはわかりませんが)をさしていました。
「ここはどこ?」
そう思って見回していると
カチャっとドアが開いて小さな女の子がこちらを覗いています。
「おじいちゃん、おじいちゃん、目が覚めたみたいですよ」
とてもかわいらしいつぶらな瞳をした小さな女の子で可愛らしいフリフリの服をきています。とても育ちがいいのでしょうね。言葉がとても丁寧です。
その女の子がどうやら彼女のおじいちゃんを呼んでいます。
すると大きなとても大きな影が部屋に入ってきました。

「ああ目が覚めたね、もう大丈夫ですか?」

泉でネコさんを助けてくれたカバさんが優しい顔で小さな小さなネコさんに声をかけました。

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