ネコさん大人編やっと書けた。いくら聴いてもちゃんと答えてくれなくてまったく心を開いてくれなかったんだけど、やっと聞き出すことができました。そりゃそうか。物語のネコさんも最初、心を開いてくれないキャラだったんだね。

第1章 ネコばあさん
ネコさんはとても身体が冷えていたのでしょう。

気がついてからも熱が下がらず、具合が良くなるまでカバのおじさんのお家でお世話になりました。
そして、すっかりよくなるとネコさんは同じ種族であるネコばあさんの家でお世話になることになりました。
ネコばあさんは森一番のしっかり者で、カバさんのお家のお手伝いさんをしています。
病気で眠っている時もネコばあさんがお世話をしてあげていたんですよ。
だけど、ネコばあさんはちょっと怖いと恐れられているおばあさんです。
なぜかというと決して間違ったことは言わないのですが、怠け者や曲がったことが大嫌い。
嘘をつくなんてもってのほかです。

第2章 家族
この森では「血がつながった」家族のことを家族というのではなくて、同じ種族が一緒に暮らしている単位を家族と呼んでいます。
みんな歳をとってからこの森に来た動物たちばかりですから「血のつながった」家族というのは滅多にないんですね。
それどころか、いままで「血のつながった」家族には出会ったことがないんですよ。
カバのお嬢さんもカバのおじさんとは血のつながりがないんですよ。

第3章 ネコさんのお勉強
ネコさんは自由奔放に育ちました。
「なっちゃん」が出かけるところ、ちょこちょこっとついていって木の上で寝たり。蝶々を追いかけたり。
食べたい時に食べて、眠りたい時に眠っていました。

そんなネコさんがこのおばあさんのお家でお世話になることになったのです。
ほんとどうなるんでしょうね。

ネコばあさんは、ネコさんにいろいろなことを教えてくれました。

おばあさんの言うことをよくきくこと
言葉遣いもちゃんとすること。
朝は太陽が昇るとすぐに起きること。
昼は家のお手伝いをしっかりして、勉強もしっかりすること
夜は暗くなったら眠ること
やたらに爪を立てたらダメだとか
それはそれはたくさんのことを教え始めました。
もちろん、毎日少しずつですが。

でも、ネコさんは自由に暮らしていましたから、何を言っているのかもわかりませんでした。
なぜそんなことをさせられるのかもわかりませんでした。

だって、ネコさんは夜になると楽しくてお散歩するものだって決まってますよね。
それなのに夜は早く寝なさいとか昼間に働きなさいだとか。
なぜ、おばあさんはこんなにおかしなことを言うのかまったく理解することができなかったのです。

そんなネコさんにネコばあさんは怒らず、ゆっくりとそれに丁寧に教えていったのです。

ネコさんのお母さん代わりは「なっちゃん」でした。だから勉強を教えてくれることはありませんでした。
お母さんと言うよりも友達だったんですね。

ネコさんは毎日毎日、たくさんのことを教わりました。
はじめて教わることに目を輝かせていました。
楽しくって仕方がなかったんですね。
それにネコさんは負けず嫌いでした。

この間なんか学校で(*動物さんの世界にも学校があるんですよ)みんなが人間に変身できるのにネコさんはちゃんと変身することができなくてとても悔しい思いをして泣いて帰ってきました。
いくら変身しても耳だけ人間になったり、しっぽが残ったままになったり、何度変身してもうまくいきません。
それでも泣きながら何度も何度も練習をしました。
そんなネコさんと暮らすことで、ネコばあさんはとてもネコさんが好きになりました。
そして、いつも負けず嫌いの頑張り屋さんを応援していました。
変身がうまくできた時なんか、ネコばあさんは頭をナデナデして褒めてくれるようになりました。
いままで厳しいといわれていたネコばあさんのこんな姿を誰も見たことがありませんでした。
もう、ネコばあさんにはネコさんがいなくてはならない存在になっていたのです。
もちろん、ネコさんもネコばあさんのことが大好きでした。

そんなネコさんですがとても苦手なことがありました。
それは友達を作ることです。
本当はみんなと仲良くしたいと思うのですがなかなか仲間に入れません。
みんなが楽しそうに遊んでいるときも、仲間に入れてほしいと思ってもなかなか自分から仲間に入れてといえないのでした。

ネコさんは負けず嫌い。
だから自分から仲間に入れてといって断られたらと思うととても怖くてどうしても言い出せなかったのです。
傷つくのが怖いのですね。

みんなが楽しく歌を歌っているときに、ネコさんはみんなより歌がうまく歌えるように一生懸命練習します。
みんなが絵を描いているときには、ネコさんはみんなにすごいといってほしいからもっと上手に絵が描けるように一生懸命絵の練習をします。
だからネコさんは絵も歌も勉強もみんな上手になっていきました。
みんなはネコさんが絵も歌も勉強も得意な優等生だからとても、相手にしてもらえないのだと思ってますますネコさんと遊ぶことはなくなりました。
ネコさんはネコさんでみんなと遊びたいのに誰も声をかけてくれないので、もっと絵や歌や勉強をうまくなったら、誘ってもらえるのではないかと思ってますます勉強するのでした。

おかしいですね。
どちらも仲良くなりたいのに、仲良くなれないなんて。
どうしてでしょうね。

いつの間にかネコさんはみんなが遊んでいるのを遠くから眺めるようになりました。
おとなしくて気だてのよいネコさんとして。

勇気を出してネコさん。

第4章 大人になったネコさん
ネコさんもこの森に来て多くの年月をすごしました。
もう誰が見ても一人前の娘さんです。
たくさんのことを覚えました。たくさんのことができるようになりました。
川に行ってお魚を捕ってくることもできましたし、お料理もできるようになりました。
好き嫌いも(*野菜が苦手だったのですが)なくなりました。
もう、いつでもネコばあさんのかわりができるようになってきました。
この森でもとても気立てのいい娘さんと評判になるほどです。
それに友達ができました。カバのお嬢さんです。覚えていますか?
よく一緒に本を読んだり、絵を描いたりして遊んでいました。
カバのお嬢さんはとても友達を作るのが得意でした。
誰とでも仲良くなれたし、誰にでも好かれました。
カバのお嬢さんはやりたいと思ったら仲間に入れてと声をかけることが上手でした。
ネコさんが歌を歌っているのを聴いて、一緒に歌っていい?と声をかけたのもカバのお嬢さんです。

そんなカバのお嬢さんはやっぱり友達も多くて、いつもネコさんと一緒に遊ぶわけではありませんでした。
カバのお嬢さんはネコさんにみんなと一緒に遊ぼうというのですが、ネコさんはそんなときには用事があるからと断ってしまうのです。
そしてカバのお嬢さんがほかのお友達と一緒に遊んでいるのをみてうらやましく思い一人で本を読んでいるのでした。

自信を持って!ネコさん。

第5章 ネコさんの夢
ネコさんはいつもこの森で一番の歌姫になることを夢見ていました。歌姫になればみんながネコさんのことを気にしてくれる。友達になってくれると思っていたからです。
ネコさんは毎日毎日、歌の練習をしていました。
踊りも踊れるように練習していました。

ネコばあさんはカバのお嬢さんがお友達になってくれたのでホッとしていましたが、それでも一人でいることの多いネコさんを心配していました。
ネコばあさんは自分がもうすごく歳をとっていることを気にしていました。

第6章 ネコさんの悲しみ
ネコさんは誰よりも勉強ができて、誰よりも歌がうまくて、誰よりも絵がうまくて、誰よりも踊りが得意でした。

今日もネコさんは一人で歌を歌っていました。
そんなネコさんのところにカバおじさんが息を切らせて走ってきました。
話を聞くとネコばあさんが倒れたとのことです。
ネコさんは走りました。
必死で走りました。
「おばあさん、おばあさん」
ネコさんは走りました。
ネコさんはもう、悲しい思いをするのが嫌だったのです。
また独りぼっちになるのが嫌だったのです。
だから必死でネコばあさんのところへ走って駆けつけたのです。
家に着くとすでに犬のお医者様が駆けつけていました。
ネコばあさんはとても苦しそうにしてベットに横たわっていました。
犬のお医者様が言うことには、歳であることとちょっと疲れているからそれで倒れたのではないかとのことでした。
そして、お薬をあげたいのだけど、どうしても薬草が足りないとのことでした。
とても珍しい薬草で、この森では滅多に見かけることがないそうです。
ベッドではネコばあさんが苦しそうに横たわっています。

第7章 走るネコさん
ネコさんは薬草の絵を描いてもらいました。
そして、その絵を持って野原や山や草原を探しました。
一生懸命、探して探して探しました。でも見つからないのです。
もしかしたらお医者様がいうのですから、薬草はこの森には生えていないのかもしれません。
それでもあきらめずに探し続けました。
ネコばあさんが苦しまないですむように。
一晩中、探し続けました。
だけど、どんなに暗闇で光る目を持っていても薬草を見つけることはできませんでした。
ネコさんは涙を抑えました。泣いても仕方がないのです。
必死に探し続けました。
でも、見つからないのです。

その頃、カバのお嬢さんはカバのおじさんからネコばあさんが病気と聞いて、ネコさんが悲しんでいるだろうとお見舞いにいきました。
ところがお家には犬のお医者様とお手伝いにきている犬のお嬢さんしかいません。
聞くと薬草を探しに行ったとのことです。
カバのお嬢さんは自分にできることを考えました。そして、友達一人一人に事情を説明して協力してもらうように頼みました。
もともと、みんなネコさんのことは嫌いではありませんでした。できたらお友達になりたかったのです。
そして、ネコさんに力を貸したいと思っていたのです。
みんなは犬のお医者様に描いてもらった薬草の絵を持って、森のあらゆるところを探しました。
飛べるものは空から、泳げるものは湖をわたって。木に登れるものは木に登って一生懸命に探しました。
そして、ついに岩の割れ目に薬草が生えているのを見つけることができたのです。
そうとは知らないネコさんは、ボロボロになりながら一生懸命探し続けていたのです。
そんなネコさんの元にカバのお嬢さんがやってきました。
薬草は見つかったこと、友達みんなが協力してくれたこと。ネコばあさんが回復にむかっていることを伝えました。

ネコさんは泣きました。
ボロボロ泣きました。
初めて泣きました。
辛くて悲しいときも寂しいときも我慢してきたのに、今日はうれしくて泣いているのです。
とてもうれしくて泣いているのです。

ネコさんはカバのお嬢さんと一緒にネコばあさんの元に向かいました。
そこではもうベッドから起きて笑顔で座っているネコばあさんと多くの友達が待っていました。
ネコばあさんはすっかり回復したようです。
ネコさんはネコばあさんに抱きつきました。
そして、また泣きました。泣けるだけ泣きました。
もう涙がかれるほど泣きました。
そして、みんなに本当に感謝をしました。お礼を言いました。
友達はみんな照れた顔でそんなことはいいよ。と言わんばかりです。
だって「友達でしょ?」
カバのお嬢さんのその一言でネコさんの心にあった蟠りはとけました。
そうなのです。ネコさんは本当はみんなと仲良くしたかったのです。みんなもネコさんと仲良くしたかったのです。
だけどきっかけとちょっとした勇気がなくて友達になれなかっただけなのです。
ネコさんはとても悲しい思いをしたけれど、とても多くの友達ができました。

そして。。。

第8章 動物の学校
心迷いの森のちょうど真ん中あたり。すこし切り開けた日当たりの良い場所に動物さんたちが通う学校があります。
学校といっても校舎もなくて草原の中に10脚ほどの切り株でできたイスがあるだけの本当に質素な学校です。
もちろん校舎もありません。
それに毎日、決められた勉強を教える人間の学校とはちょっと違って勉強したいときに自由に学校にくることができるのです。
だから時間割もお休みもありません。
夏休みも冬休みもないんですよ。

動物の子供たちはこの学校で人間に化ける方法や元に戻る方法、人間の言葉を勉強します。
はじめから人間の姿で森にきた子もいれば、人間の姿になかなかなれない子、人間の姿になれたけれど元に戻ることができない子など様々です。

どうして人間の姿にならないといけないのでしょうか?
もちろん、人間の姿にならなくてもいいんですよ。
でも、ここに来る動物さんはとても人間が好きで人間の姿になりたいと思うみたいなんですよ。
不思議ですね。

第9章 先生
動物の学校にも人間の学校と同じように先生がいます。
勉強したいときに生徒がやってくるというとても自由な学校のことですから、先生も自由に楽しく教えています。
授業のない日は歌を歌ったり絵を描いたり本を読んだり、みんなが集まるときにはお芝居をしたり楽しく一日を過ごしているんだそうですよ。
ほら、あそこ。先生がやってきましたよ。見覚えがありませんか?あのお手伝いさんの服を着た女性。
そうです。
ネコさんはお手伝いさんをしながらカバおじさんが校長先生をつとめる動物学校の先生になりました。
そして、ネコ先生の一番得意な「友達を作る方法」を子供たちに教えているんですよ。

だけどネコ先生、人間に化ける方法はさっぱりで未だに耳だけはネコのままなんですよね。
おもしろいですね。
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